塗り方講座 色鉛筆編

色鉛筆の特性

  • ◆強い線から繊細な線まで幅広く描けます。
  • ◆混色は線描を重ねてつくるので、視覚混合された色が美しく鮮やかです。
  • ◆筆、パレットなどの道具がいらないので簡単で便利です。
  • ◆色鉛筆の塗り方のコツは、力を入れないで軽く画面をなでるように、薄く淡く塗り重ねて、少しずつ濃くしていきます。

「バラ」の塗り方

Rose centifolia

花びらの多い西洋バラは、やわらかな花びらの重なりを一枚一枚ていねいに描いて高貴な優雅さを表現しましょう。
深みのある色合いに仕上げるために、下塗りをします。

河出書房新社「大人の塗り絵」の下絵を使用しています。
使用画材 : ヴァンゴッホ色鉛筆

1花の外側の部分の下塗り

花の部分は、大きく二つに分けて下塗りしていきますが、まずは、花の外側部分を、淡い黄色系の色で下塗りをしていきましょう。

2花の内側の部分の下塗り

内側の部分を、茶色系の色で下塗りをします。つぼみも同じ茶色系の色で下塗りをします。茶色系の色のように、濃く暗めの色での下塗りは、仕上がりが花びらの密集した密度が表現できます。

3葉の部分の下塗り

葉の下塗りの方法も、花の下塗りのときと同じように濃い色合いの葉と薄い色合いの葉と二つに分けて、それぞれを塗り分けていきます。濃い色合いの葉の部分は、黄土色で下塗りをしていきましょう。
中間の濃い色合いの葉の部分は、青色系の色で下塗りをしていきましょう。明るい色合いの葉の部分は、黄色系の色で下塗りしていきましょう。

4花の外側の部分の重ね塗り

塗る色は、淡いピンク色から使いはじめて、徐々に濃いピンク色へと色を変えながら塗り重ねていきます。
ピンク色、オレンジ色、赤色や茶色などの暖色系の色ばかりでなく、部分的に青色や緑色といった寒色系や補色も使ってみると思いがけない効果が得られます。

5花の内側の部分の重ね塗り

花の内側の濃い部分では、赤色やオレンジ色などから使いはじめて、一番濃い影になる部分では、濃く暗い赤色やこげ茶色へと色をかえながら塗り重ねていきます。色の使い方のコツは、淡く明るい色からはじめて濃く暗い色へと塗りすすめるようにします。はじめから濃く暗い色を塗ると失敗しがちです。

6葉の部分の塗り方

葉脈の部分の陰影を意識しながら塗っていくとうまく仕上がります。葉脈の部分の影となっているところは濃い緑色で塗り、明るいところは明るい緑色で塗っていきます。

7葉の部分の重ね塗り

下塗りの黄色系、黄土色、青色系に塗り分けた部分に、それぞれ固有色の緑色を重ね塗りしていきます。
下塗りをしておいたので、何枚もある葉の色合いに変化がうまれて、それぞれにバリエーションと奥行きの感じが表現できます。

8完成

下塗りをした効果で、花房の立体感が表現でき、それぞれの葉に色合いの変化や奥行きの広がりが表現できました。